昔話大学!?

さつき

2008年05月26日 16:00

この土日は昔ばなし大学で学んできました。

昔ばなし大学とは、昔話に関心を持つ人を対象に昔話研究者の小澤俊夫さんが全国各地で開いている市民大学です。
半年に1回開かれ3年間にわたり行われるのですが、一日6時限授業で土日の2日間、集中的に講義を聴くのです。
長野でのこの大学は1年前の5月から始まりました。

受講者は150人を超え、40代から60代の女性がほとんどです。70代のかたもいらっしゃると思います
県内はもちろんですが、秋田県や岐阜県から来ている方もいたりして驚きです

みなさん熱心にノートを取られていて、はじめて授業を受けた時はご年輩の方のパワーにもう圧倒されっぱなしでした。
教員や図書館司書という経歴の方が多いのですが、私のように一般の主婦もけっこういるんです

半年間も間があいてどうするの?と思うでしょう?
それがあるんです。やることが・・・
出された課題をグループワークしてきて、次の授業のときに発表しなくちゃいけないんです。

一番最初に組んだグループで最後までいくのですが、このグループワークがなかなか楽しいのです

年齢も職業も違う初めて出会う人達なので(中には少々知り合いもいますが)課題以外のことでも、いろいろ刺激を受けます。
素敵な方ばかりです。というか素敵に生きてる方が多いと言ったほうが正解かな

で、今回の課題は「灰かぶり」の語り口の検討。

おかたそうでしょ~~
けどね、けっこう面白い発見がいっぱいあるんですよ~

「灰かぶり」ってどんなお話し?って思うでしょう?

「シンデレラ」といえばピンとくるかな。

実は「灰かぶり」は「シンデレラ」のもとのお話しです。

昔話にはよく、3回の繰り返しがでてきます。
「灰かぶり」でも綺麗な着物を着て、王の宴会に3度出かけるという繰り返しがあるのですが、どうして3回の繰り返しが必要だったと思います?

小澤俊夫さん曰く、これは思春期の子どもの心の状態を現しているのだそうです。

美しくなりたい→美しくなる→認められる→もとに戻る→美しくなりたい→美しくなる→認められる→もとに戻る→・・・・・
という「灰かぶり」の繰り返しは
認められたい→認めてもらう→反発する→認めてもらいたい→認めてもらう→反発する→・・・
というふうに子どもは振り子のように、良いほうと悪いほうを行ったり来たりしながら成長していき、いつか「灰かぶり」のように行ったり来たりしながら自分に自身をつけて、なりたい自分をみつけられるのだというメッセージが読み取れるのだそうです。

「親が支配しようとすれば振り子の反発は強くなる。
振り子は時間がたてば揺れる幅がせまくなる。
だから反発しているときは、だまって見守れば良い。」


小澤俊夫さんの言葉に胸が熱くなりました。

昔話が忘れられずに長いこと語り継がれてきているのには、ちゃんと訳があったのですね。

だからこそ「シンデレラ」みたいに勝手にストーリーを変えてしまわず、語り継がれたお話しのまま、後世に伝えてあげたいと感じます。

ねっ!!昔話ってなんだか面白そうでしょう
ぜひ、「灰かぶり」を読んでみて欲しいです

「灰かぶりの振り子」はコーチングにも共通することがあって、とても興味深いです。
絵本や語りから伝えられる子育てってたくさんあるように思います。
「絵本deコーチング」
やっていこうという気持ち、強くなってきました

「ねたろう」や「わらしべちょうじゃ」など子育ての秘密が隠された昔話はまだまだありますので、また紹介していきたいと思います





講義で必要な参考書です。
「昔話の語法」  小澤俊夫著
裏表紙には楽譜が描かれています。(意味があるらしいです)
このあたりはさすが小澤征爾さんのお兄さんと思ってしまいます


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